子供に親のがんをどう伝えるか~ ホープツリーについて~

仕事関連(病院薬剤師)

はじめに

私は薬剤師として働いています。その中で学んだことを共有したいと思います。

特に、今回は「自分ががんになったとき、自分の子どもにどう伝えるか」というテーマについてお話しします。

がんと診断されたときの衝撃は計り知れません。特に、小さなお子さんを持つ親であれば、自分の病気だけでなく、子どもへの影響についても深く考えることになるでしょう。「子どもにどう伝えるか?」「伝えたことで子どもが傷つかないか?」そんな悩みを抱える方は少なくありません。

そこで今回は、AYA世代のがんと子どもへの伝え方について解説し、サポートとして役立つ情報をお伝えします。


AYA世代とは?

まず「AYA世代」という言葉をご存じでしょうか?

AYA世代(Adolescents and Young Adults)とは?

AYA世代(アヤせだい)とは、思春期・若年成人世代のことを指します。

特に「AYA世代がん」という文脈で使われることが多く、**15~39歳の間に発生するがん(悪性腫瘍)**を指します。(参考:Wikipedia)

AYA世代のがんの特徴

国立がん研究センターのデータによると、AYA世代のがんには以下のような特徴があります。

  • 診断が遅れやすい: 若年層にがんが発症することは一般的ではないため、初期の症状が見逃されることがあります。
  • ライフイベントへの影響: 学業、仕事、結婚、出産などの人生の大きな節目に影響を与えることが多いです。
  • 経済的な負担: 学生や若手社会人は経済的に不安定なことが多く、治療費の負担が重くなるケースがあります。
  • 心理的負担: 未来への不安や周囲との関係性の変化に悩むことが少なくありません。

特に育児をしている方にとっては、「病気を子どもにどう伝えるか」という点が大きな課題となります。


がんを子どもに伝える難しさ

がんと診断された直後は、本人も動揺しているため、自分自身の病気を受け入れることが最優先になります。しかし、その後、子どもにどのように伝えるかという問題に直面します。

親のがんと向き合う子ども

子どもにがんを伝えることをためらう理由として、以下のようなものがあります。

  • 子どもが傷つくのではないか
  • 病気をどう説明したらよいかわからない
  • がんを伝えることで子どもの成長に悪影響を与えるのではないか

一方で、子どもは親の異変を敏感に察知します。伝えないままでいると、「親が何か隠している」と感じ、不安が増すこともあります。そのため、適切な方法で伝えることが大切です。


がんを子どもに伝えるためのサポート

HopeTree(ホープツリー)とは?

「どう伝えたらいいのかわからない…」そんなときに、まず見てほしいのが**NPO法人「HopeTree(ホープツリー)」**のサイトです。

Hope Tree(特定非営利活動法人ホープツリー)~パパやママががんになったら~
HopeTree(ホープツリー)~パパやママががんになったら~は、がんになった親を持つ子どもをサポートするさまざまな情報...

このサイトは、がんになった親と子どもをサポートするために作られたもので、医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士などが監修しており、薬剤師の研修会でも度々取り上げられるほどの完成度を誇ります。

HopeTreeのサポート内容

HopeTreeでは、以下の情報を提供しています。

  • 親に向けた情報: がんを子どもに伝える方法、治療中の子育ての工夫など
  • 子どもに向けた情報: 年齢に応じた説明方法、おすすめの絵本の紹介
  • 医療者向けの情報: 患者さんとその家族をサポートするための具体的な支援策

子どもに伝えるときの3つの“C”

HopeTreeでは、**がんを子どもに伝えるときの3つのポイント(3C)**として、以下を提唱しています。

  1. Cancer(がん)という病気であることを伝える
  2. Catchy(伝染しない)ことを説明する
  3. Cause(原因)は子どもにはないことを伝える

この3つを明確に伝えることで、子どもの不安を軽減し、安心感を与えることができます。


AYA世代に対して薬剤師が関われること

AYA世代のがん患者さんに対して、薬剤師ができることは多くあります。

  1. 薬についてわかりやすく説明する
    • 副作用の管理や服薬のタイミングについて、患者さんのライフスタイルに合わせた説明をする。
  2. 医師や看護師と別の立場からサポートする
    • 服薬指導だけでなく、治療による生活の変化についての相談に乗る。
  3. 抗がん剤の副作用に対するフォロー
    • 吐き気、食欲低下、脱毛などの副作用について、適切な対応策をアドバイスする。
  4. 漢方やサプリメントの安全性について助言する
    • 患者さんが自己判断で使用することの多い漢方やサプリメントの相互作用を確認し、リスクを回避する。
  5. 患者さんのメンタルケアを意識する
    • 不安を抱える患者さんに寄り添い、相談しやすい環境を作る。
  6. 家族への情報提供を行う
    • 特に小さなお子さんがいる家庭には、子どもが理解しやすい方法で情報を伝える方法を考える。

まとめ

AYA世代のがん患者さんにとって、「子どもにどう伝えるか」という問題は大きな課題です。

  • 子どもは親の異変を敏感に感じ取るため、適切な伝え方が必要
  • HopeTreeのような支援団体を活用することで、伝え方のヒントを得られる
  • 薬剤師として、薬の説明や副作用対策、メンタルケアなど様々な側面でサポートできる

私自身も、薬剤師としてできることを模索しながら、がん患者さんとその家族に寄り添っていきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました!

少しでもお役に立てれば幸いです。

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